2008.06/05(Thu)

君と恋愛、海の色。28 (18禁)

#28 ※18禁

【More・・・】

 秋家の言う通りにする――そう、決めていたから、ここでするか、ベッドに行くか、石富は秋家に決めさせた。

「……ベッドがいい」

 怖いほどの色香を放ちながら、秋家は赤い目元で石富を見上げた。わかった、と言って秋家の手を引き、浴室を出る。バスタオルを秋家の頭にかぶせ、自分も髪の毛を拭こうとタオルを取るが、ゆっくりと体を拭いている余裕はなく、適当に水気を拭うとすぐに、秋家と手をつないで寝室に向かった。

 ベッドに腰を下ろし、バスタオルを頭にのせたまま立っている秋家の体を引き寄せ、まだ濡れている尻に手をはわせる。乳首に唇を寄せ、小さな粒を舌で弾くように舐めると、びくんと秋家の体が揺れた。胸を愛撫しながら体をまさぐれば、秋家の呼吸はすぐにあがり、石富の肩においた手に力がこもった。

「こっちおいで」

 石富はそう言うと、秋家を体の上に引っ張り上げるようにしながら、ベッドに仰向けになった。バスタオルが石富の脚の上に、ぱさりと落ちる。

「剣二……っ」
「いいから。俺の顔、跨いで。ベッドがいいって、なおが言ったんだろ?」

 かぁっと秋家の顔が赤く染まり、こういうやり方じゃなくても……と、消えそうな声で石富を弱く責める。だが、早く、と石富が手を引くと、恥ずかしくてたまらないという顔をしながらも、石富の顔を跨いで膝立ちした。当然、目の前には勃ちあがった秋家の性器がある。両手で尻を掴み、先走りで少し濡れている性器の根元に舌を這わせると、頭上で小さく『やだ…』と声がした。

 秋家は、自分が口でするのは平気なのに、自分がされる側になると、いつも初めは抵抗する。最近はまだ素直になった方なのだが、こういう関係になった当初は、『俺のはいいから』と言って石富の口淫を拒み、ずっとさせてくれなかった。

 最初は、嫌なら仕方がないかな、と思っていたが、あまりに拒み続けるもので、半ば強引に口をわらせてみたところ、『ノーマルの剣二に、男のを口にさせるなんてできないよ』と言われ、石富を気遣ってくれたが故の拒否だったとわかった。

 それなら遠慮する必要はないな、と、嫌がる体を折り曲げ脚を押さえつけ、無理矢理性器を口にしたら、秋家は泣いてしまったが、でももう、嫌だとは言わなかった。それから口淫を拒むことはなくなったが、未だに恥ずかしさは拭いきれないらしい。弱い抵抗を見せるのも、それをごまかすためのものなのだろう。

「ん、ん…っ…剣、二……」

 尻を鷲掴みにし、柔らかい肉を揉みこみながら、ちゅくちゅくと音をたてて秋家の股間を舐める。袋を口に含み、舌で転がすようにしゃぶると、泣き声のような声が聞こえてきた。

「やだ、もっ、あぅ……っ」
「………なお、ちょっと体、前に倒して。そんでこれ、口ん中に入れて」

 唾液まみれの袋を口から離して、これ、と言いながら、ふーっと性器に息を吹きかけてやる。ぴくっと体を揺らして、秋家は泣きそうな顔で石富を見下ろし、ベッドヘッドを掴んでから、体を少し前に倒した。
 口の中に秋家のそれをくわえ込み、同時に尻も弄りながら、あんあんと声を上げる秋家を下から見上げる。いつもと違うアングルで見る秋家の顔に、腹の中が熱くなり、ひどく興奮が増す。つらそうに、泣きそうに、でも最高に感じているその表情は、淫らで、とてもきれいだ。

 石富は枕の上に手を伸ばし、ベッドの小さな引き出しに入れてある、チューブ入りのジェルを取り出した。片手でくるくるとキャップをはずし、尻を弄っていた手に中身を出すと、尻の狭間にぬるぬると塗りこんでいく。

「ひゃっ……あ、んっ……」

 指を1本入れ、2本入れ、くちゅくちゅと中をかき回すと、秋家の熱でとろけたジェルが後孔の周りを濡らす。指を3本に増やし、奥の、ある一点を突くと、秋家の体が一際大きくびくんと跳ねた。そこばかりを集中してぐりぐりと突いてやると、子供が泣くような声を上げて、秋家は石富の口の中に射精した。

「はぁ、はぁ……」

 こくりとそれを飲み込み、再び尻の中の指を動かせる。短い呼吸を繰り返していた秋家はぴくっと震えて、欲にとろけきった潤んだ目を開け、石富をじっと見下ろした。

「も、剣二の、ちょうだい……?」
「………ああ、いいよ。自分で、できる?」
「うん、する……」

 尻から指を引き抜くと、秋家は体の位置を後ろにずらし、腰を浮かせた。勃ち上がっている石富の性器を掴むと、自分の尻にそれをあてがい、ゆっくり、腰を落としていく。

「あ……んっ、くぅ……っ」
「久しぶりだから、きついかな。がんばれ、なお」

 腰を支えてやって、もう少し、と声をかける。そして、根元まで熱いその中に飲み込まれると、くちゅり、と溶けたジェルの音がした。秋家は石富の腹に手をついて、ゆるゆると腰を動かしている。全てを秋家のペースに任せるつもりだったから、石富は動きたいのを、じっと我慢した。

「あっ、はぅ……っ、ん、ん……」

 そのうち秋家の動きが激しくなり、目を閉じ声を上げながら、首を仰け反らせて腰を振る。ここまでされるとじっとしてもいられず、石富も秋家に合わせるようにして、腰を突きあげた。

「あぅ……っ、剣二……!」
「ごめん、なお、やっぱ、好きにさせて……!」

 がばっと起き上がり、抱き合って、少し乱暴にキスをした。体をきつく抱き締めて、背中も脚も尻も、両手でしつこく撫で回す。唾液を垂らしながらちゅくちゅくとくちづけて、そのまま秋家の体をベッドに押し倒した。
 頼りなげな細い脚を抱え上げ、強く腰を打ちつける。ぱんぱんと激しく音がして、秋家が、狂ったような嬌声を上げた。

「ああー!やだぁっ、ダメ、死ん、じゃう……!」

 秋家が泣き出したので、石富はその涙を舐め取って、ごめん、と言いながら唇に何度もキスをする。だが動きを弱めることはできず、首や肩に噛みついたり吸い付いたりしながら、小さな尻を何度も強く突き上げた。

「はぁ、はぁ……なお……なお、ごめん、つらいか?ごめんな……」
「うぅ、んふっ、あ……ああ……!!」

 石富の汗が、顎を伝って滴り落ちる。秋家の熱い肌に1つ、2つと落ちて、吸い込まれるように消えていく。

 秋家は泣いて、顔は涙でぐしゃぐしゃで、石富もまた、強すぎる興奮で、なんだか目が痛かった。自分がどれだけ獰猛な眼つきで秋家を見ているのか、石富はわかっていない。一瞬だけ目を開けた秋家が、その目にぞくりと身を震わせたことにも、気付いていない。

 まるで、飢えた獣のようだ。金色の髪の、大きな獣。

 秋家は腕を伸ばして、石富の頭を胸に抱き締めた。

「平気……大好き、剣二……」
「な……くそっ、もう、勘弁しろよ……!」

 石富をおかしくさせる言葉を紡ぐ唇を、強引にふさぐ。さらに力強くなった腰の動きはベッドを揺らし、秋家の啼く声が部屋の中に響いた。

 食べてしまいたいなと、石富は本気で思う。セックスしている時はいつも、どうすればいいのかわからなくなるくらい、可愛くて可愛くて、仕方がなくなる。

「なお、可愛いよ……」

 そして耳元でささやくと、きゅうっ、と後ろが締まって、その表情も反応も、また石富をたまらなくさせる。

 激しい律動を繰り返すうち、石富は絶頂が近くなった。秋家の脚を抱えなおし、より深く突き入れると、秋家も近いのか、目をぎゅっとつむって、首を後ろに反らす。

「一緒にイクか……?」

 体を抱き締めて言うと、かくかくと壊れた人形のように、頷いた。
 頭を押さえ込むように抱えてキスしながら、ぐちゅぐちゅと粘膜をこすり上げる。あう、と高い声を上げて秋家が体を仰け反らせ、石富は抽挿を速くした。

「なお、イクぞ……っ」
「うん…っ…んあ……ああ……!」

 秋家が声を上げてびくびくと震えると、薄い腹の上に白い飛沫が散った。少し遅れて、石富も小さく呻いてから、秋家の中に精液を注ぐ。全てを中に出して、ゆっくりと性器を引き抜くと、ジェルと精液の混じった粘液が、ツーっと糸を引いた。

 抱えていた脚を下ろすと、それはだらんとシーツに落ちる。秋家はぐったりとして、目を閉じたまま、はぁはぁと短い呼吸を繰り返している。石富はその上に倒れこみ、汗ばんだ体をぎゅっと抱き締めた。

 首に鼻を寄せると、秋家のにおいがする。甘く、汗のにおいの混じるそれは、とても安心できて、そして、たまらなく胸を締めつけてくる。

「なお、好き……大好きだ」
「うん……俺も……」

 薄く目蓋を開けて、とろんとした目で、秋家は微笑む。石富も笑って、それから何度もキスをした。
 
 幸せだと、心の底から思う。この幸福感も、満足感も、秋家だけが石富に与えることのできる、唯一のものだ。他の誰でもなく、秋家尚和という、ただ一人の人。

 だから石富は、その唯一無二の存在を、強く抱き締める。どこにも行かないよう、誰にも、奪われないように。

テーマ : 自作BL連載小説 - ジャンル : 小説・文学

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