2008.03/04(Tue)

君に初恋、桜色。8−7 (18禁)

chapter8−7 ※18禁

【More・・・】

 裸が見たい、と言われて、秋家は最初、すごく嫌がった。石富が、他人の男性器を実際目にして、萎えたりしたらどうしようという危惧があったからだ。
 触るだけなのと見るのとでは、かなりの違いがあると思う。触覚だけなら大丈夫でも、形や色を視覚で認識した途端、急に冷めたりするかもしれない。

 だから嫌だと言ったのだけど、精液の絡んだ指で尻の間をぬるぬると撫でられながら、「脱いで、なお……」などと耳元で名を囁かれてしまってはもう、とても嫌だなんて言えなかった。

「お前……なんで脚、そんなきれいなわけ……」

 触りにくいから、と先に下を脱ぐように言われて、言う通りにジャージのパンツと下着を脱ぐ秋家を手伝ってくれながら、石富はそんなことを言った。
 驚いているというよりも、感心しているような、そんな口調だ。

「そ、かな……でも、剃ってんじゃないんだよ……?」

 秋家は生まれつき体毛が薄い。脚はたぶん、処理をしていない女性くらいの濃さしかないと思う。男にしては、確かにかなり薄い方だろう。

「いや、そうじゃなくて……それ以上に、なんか……」

 石富はそれ以上は言わず、秋家の脚を持つと、膝頭やすね、足の甲にまで、ちゅっちゅっとキスをした。

「やだっ、剣二……、そんな、女の子にするみたいなこと、しなくていいからっ……」

 まるで奉仕されているかのような、そんなキスの仕方に、ものすごく照れてしまう。秋家は男なのだから、女性に対してのような優しく丁寧な扱いなんて、必要ないのに。

「バカ、んなこと女にした事ねーよ。……あのな、俺は誰かにしたようなことを、同じようにお前にしようなんて思ってない。今、お前に、したいことだけをしてるんだ。わかるか?……だから早く、上も脱げ」

 何が“だから”なのか、よくわからないけれど……でも、すごく嬉しいことを言ってくれた気がしたので、言われた通りに、体を起こしてジャージとTシャツを脱いだ。

(恥ずかしい……)

 全裸になって、まだ何も脱いでいない石富を見ると、羞恥が倍増しになった。きっと顔は真っ赤だろう、と思いながら、ちらりと石富を上目使いで見る。

 実際男の裸を目の前にして、冷めたりしていないだろうか――そういう恐怖心がまだ少し残っていたが、見上げた石富の表情に、そういう冷めた感じや萎えた様子は、見受けられなかった。

「……間違いなく、男なのにな……なんでこんなに、たまんねぇんだろ……」

 石富はそう言いながら、秋家の薄い胸をすっと指で撫でて、鎖骨に唇を寄せた。そのまま体をゆっくり床に倒されて、肩にも胸にも腕にもお腹にも、いっぱいキスされて、そして、吸われたり舐められたりもした。

「あっ…ん、ん……」

 秋家は出来るだけ抑え気味に声を上げていたが、尻の間を撫でているだけだった石富の指の先が、つぷ、と小さな窄まりの中に入れられた瞬間、驚きで高い声を出してしまった。

「ン……ひゃあ…っ……あ、あんっ……」
 
 ぴくん、と体を跳ねさせて、後ろに感じる刺激にぞくぞくした。
 石富はたくさんキスしてくれながら、ものすごく丁寧にゆっくりと、後ろに指を1本、根元まで入れてしまうと、とても優しい声で秋家に問いかけてくれる。

「痛くないか……?」
「ん……大丈夫。もっと、して……」
「もっと……?わかったよ」

 なぜか嬉しそうに微笑んだ石富は、秋家の顔中にキスしながら、中に入れた指を抜き差しさせた。

「あっ……あ、あ、んっ……」

 早く出入りさせてみたり、中でくにくに指を曲げてみたり。そうやって秋家の反応を窺いながら、石富は指を2本に増やした。それでも、全く苦しいとは思わない。丁寧に慣らしてくれるから、秋家は快感だけを追っていける。

 蕩けそうな頭で、ふと、全く痛みがないのは、あの清潔な指のおかげだろうかと考えた。調理師である石富は、いつも深爪ぎりぎりまで爪を切っていて、ちゃんと毎日磨いてもいるらしい。
 料理を作るための長くて清潔な指が、秋家のあんなところに入っていて、くちゅくちゅといやらしくかき回している――そんな風に考えてしまい、下品だと思いつつもひどく興奮した。

(俺、変態だ……)

 後ろがほぐれてきて、柔らかく開いてきたのが自分でもわかった。慣れたあそこは、2本の指じゃもう、足りなくなっている。

「あ、んっ……ねぇ、剣、二……」

 もう、入れてほしい。
 言葉にはせず、そう、目でお願いしたら、石富は察してくれたようで、おでこにちゅっとキスをしてから、あそこから指を引き抜いた。
 
 ベルトをはずすカチャカチャという音がして、すぐに石富が真上から顔を覗きこんでくる。キスをされながら、後ろの孔に、熱くて硬いものがあてがわれた。

「…ん……」
「大丈夫か……?痛かったら、言えよ?」
「うん、平気だよ……」

 心配させたくなかったので、にこっと笑って見せた。そしたら、ぎゅうっと、石富に抱き締められた。少し汗のにおいがして、切なくて愛しくて、胸がきゅんと鳴った。

「優しく、するから……」

 抱き締められて、耳元でこんなことを言われては、冷静でなどいられない。たまらなくなって石富の首に腕を伸ばして抱きつき、鼻を擦り付けた。
 
 強く抱き合ったまま、秋家の片方の脚をぐいと持ち上げて、石富はゆっくり秋家の中に入ってくる。

「いっ……あっ……ん、んー……!」

 ローションを使っていないから、やっぱり少し潤滑さが足りなかった。だから最初、亀頭の部分が入りきるまでは、思ったよりも痛かったが、我慢できないほどではなかったので、石富が心配してくれる声には、大丈夫、とだけ答える。

「なお……痛くないか?」
「へい、き……もうちょっと、だから……」

 ゆっくりと、石富は入れてくれた。秋家が苦しくないように、痛くないように。
 その優しさが嬉しくて、石富を全部飲み込んだ後、ぎゅっとしがみつくように抱きついた。

「剣二が、中にいる……嬉しい、大好き……」
「……あんま、可愛いこと言うなよ……」

 強い力で抱き締め返してくれて、裸の背中や尻を手で撫でられた。そして、グッと入っている箇所に力を入れられて、秋家は小さく、泣き声のようなあえぎ声を出してしまった。

「…んぁ…っ……」
 
 その声に石富は少しだけ笑って、抱き締めてくれていた手をほどくと、鼻先が触れそうな距離で顔を覗き込んでくる。そして、とても真剣な表情で、秋家が1番望んでいた言葉を、その唇にのせてくれた。

「……これ、恋愛だよな……お前のこと1番好きで、お前のこと、抱いてる……」

 目を、見つめられる。
 まるで独り言のように呟く石富の目は、すごくきらきらと輝いていて、とても、きれいだと思った。

「セックスして、こんな気持ちになったことねーよ……これって、恋愛だよな……なぁ、なお。俺、恋愛してるみたいだわ」

 そう言って嬉しそうに、にかっと笑った。まるで子供が、何かすごいものを見つけた時のような、純度の高い笑顔。
 その笑顔に、秋家の心臓は爆発しそうになった。

(恋愛って、言ってくれた……)

 体と、そして心も。一つに重なったと、思ってもいいの?

 秋家は、また泣いてしまった。
 でも、これは初めての、嬉しくて流した涙だった。

テーマ : 自作BL連載小説 - ジャンル : 小説・文学

00:33  |  君に初恋、桜色。  |  CM(6)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●春立さま

はじめまして、春立さま(^-^)
読んでいただいてどうもありがとうございました。
このような拙い作品をお褒めいただきまして、本当に嬉しいです。
がんばれます!

秋家は確かにちょっとイライラする部分もありますがw、その弱いのが、石富と相思相愛になって、これからちょっとずつ強くなっていく予定ですw

もう少しでラストですので、最後までお付き合いくださると嬉しいです(*^^*)
本当にどうもありがとうございました☆
遠麗 | 2008.03.06(木) 00:33 | URL | コメント編集

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 | 2008.03.05(水) 23:36 |  | コメント編集

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 | 2008.03.05(水) 09:24 |  | コメント編集

●はじめまして!

はじめまして。
「君に初恋、桜色。」、ここまで読ませていただきました。
気の弱い秋家には正直共感できなかったんですが、石富が申し分なくかっこうよくて、久家も松橋も魅力的でした!
途中のメールは戦慄するほど怖かったです。
上手いなあ、と唸りました。
続き、楽しみにしています^^
春立 | 2008.03.04(火) 20:33 | URL | コメント編集

●檸檬さま

はじめまして檸檬さま(^-^)
コメントありがとうございます♪
ここまでやっといて、ついに両想いですw
店長はもう、有頂天ですvv

そろそろラストも近いと思いますので、最後までお付き合いくださると嬉しいです。
ありがとうございました(*^^*)
遠麗 | 2008.03.04(火) 04:10 | URL | コメント編集

●おめでとう!!!

おめでとうマスター(><)
もうなおさん可愛いすぎますvv
檸檬 | 2008.03.04(火) 02:03 | URL | コメント編集

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